孤狼 刑事・鳴沢了

作者：堂場瞬一｜中公文庫

• 文庫本裏書き

一人の刑事が死に、一人が失踪した。
本庁の理事官に呼ばれた鳴沢了は、新たな相棒と共に消えた刑事の捜索を命じられる。
調べを進めるうちに明らかになる刑事達の不可解な行動。
不審を抱く了の前に謎の組織が立ちはだかる。
執拗な妨害、愛する人への脅迫　―　
警察を辞めた冴を巻き込み事件は思わぬ展開をみせる　―！

• 感想

鳴沢シリーズの4作目。面白さは抜群とまでいかないが、安定感がある。
今作で相棒になるのは、巨体で寺の後継ぎが決まっている刑事の今。
今と共に了は失踪した刑事を捜索するが、関係者の口は皆重く、行方がつかめない。
自殺した刑事と失踪した刑事は何やら秘密があり、不正の匂いがした。
捜査を続けていると、身内の警察から妨害が入るようになる。
今との捜査に協力者として現れるのは、2作目で相棒だった冴。
彼女は刑事を辞め、探偵となっていた。
3人で真相に迫るが、そこでつかんだのは警察組織内にはびこる派閥だった。
ダイナミックな展開やスリルはそれほどないし、堅物すぎる鳴沢にあまり魅力も感じない。
でも、何故か読んでしまう。おそらく全シリーズを読んでしまうと思う。
1作目から比べると人間関係が広がり、話も段々と面白くなっているのもいい。

孤狼―刑事・鳴沢了 (中公文庫)