ママの狙撃銃

作者:荻原浩双葉文庫

  • 文庫本裏書き

「もう一度、仕事をしてみないか」
ふたりの子どもにも恵まれ、幸福な日々を送る福田曜子の元に届いた25年ぶりの仕事の依頼。
幼い頃アメリカで暮らした耀子は、祖父のエドからあらゆることを教わった。
射撃、格闘技、銃の分解・組み立て。
そう、祖父の職業は暗殺者だった。そして耀子はかつて一度だけ「仕事」をしたことがあった。
家族を守るため、耀子は再びレミントンM700を手にする。
荻原浩の新たな地平。“読み出したら止まらない”サスペンス・ハードボイルド。

  • 感想

平凡な主婦の耀子が、スナイパーとして活躍する物語。
エドに育てられるアメリカ時代のエピソードが面白い。
また、苛めにあった子供のために、苛めていた相手を銃で脅すシーンもいい。
ただ、明るめのストーリーが多い作者の作品の中では暗い内容だったと思う。
それは耀子が銃の魅力に取りつかれながらも、人を殺すことに躊躇いがあるからだ。
過去に殺害したターゲットの幽霊が耀子にまとわりつき、彼女を悩ませる。
コメディタッチの中に、このシーンは違和感があった。

ママの狙撃銃 (双葉文庫)

ママの狙撃銃 (双葉文庫)