今日の特集

作者:戸梶圭太中央公論新社

  • あらすじ

報道番組制作の孫請け会社に勤める明坂は、薄給で過酷なロケに追われる日々。
華やかさとは無縁の地味な取材と、事実を捻じ曲げたねつ造の映像を作っていた。
取材チームも最低のメンバー構成で、明坂は常にストレスにさらされ続けていた。
性犯罪者や、地方にいるわがままな芸術家など、不毛な取材先で起きるトラブル。
会社の経営状況も思わしくなく、通告もなく給料を下げられ、生活は逼迫する。
それと同調するかのように、取材対象はどんどんを危険度を増していく。

  • 感想

相変わらずの罵詈雑言のオンパレードで、戸梶節全開の作品である。
殺伐とした暴力沙汰や、ブチぎれたセリフはテンポがあり、一気に読める。
ただ、ストーリーが後半になるにつれ、雑になっていくのが残念だが、最近の作品ではマシな部類だ
地方のことをパチ屋ブックオフとコンビニしかないと切り捨てているのには笑った。
初期の「闇の楽園」や「なぎらツイスター」のような作品はもう期待しない方がいいのかもしれない。
最近は駄作も多く、何度も読むのを止めようと思うが、つい手が出てしまう。
作中に出てくる短いフレーズが笑いのツボに入るからだろうな。
気に入っている作家だけに、ストーリー重視の新作も久々に読んでみたいのだが。

今日の特集

今日の特集