アンデッド

作者:福澤徹三角川ホラー文庫

  • あらすじ

高校生で文芸部所属の神山美咲は、この世のものではないモノが見える体質だった。
夏休み明けに最初の部誌を出すために、地元在住のホラー作家の鬼屋敷を訪ねる。
だが、世俗的な鬼屋敷からは魅力的なインタビューが聞けず、落胆する。
同じ学校の守は、竜也たち4人のグループからは激しいイジメを受けていた。
金品の要求に応えられなかった守は、肝試しという名目で、夜に近くの山に連れて行かれる。
そこには精神病院の廃院があり、守は異臭のする地下室に閉じ込められてしまう。
暗闇の中で、「お前の身体を貸せ」という声を聞き、意識が遠のくが、翌日は自宅で目覚めた。
その直後から、竜也たちのグループが一人一人、残酷な方法で殺され始める。
美咲は鬼屋敷から精神病院で起きた過去の事件を聞き、様子のおかしくなった守に注意を払う。
だが、殺人は続き、美咲たちのグループにも危機が迫ってくる。

  • 感想

オーソドックスな学園ホラーだが、歴史上の拷問や猟奇殺人事件を取り上げ、面白く読めた。
ただ、表紙はB級マンガみたいで、チープな感じがして、損をしている。
作家の鬼屋敷はどうみても作者自身を反映しており、何となく面白い。
作者の中では傑作とは言えないが、肩の力を抜いて読めるホラー作品。
出張中の移動などで読むのには最適な文庫本。

アンデッド (角川ホラー文庫)

アンデッド (角川ホラー文庫)