少年の輝く夏

作者:堂場瞬一集英社文庫
瀬戸内海に浮かぶ島に、東京から山村留学のためやってきた中学2年生の浩次。
島は海に囲まれ、レモン畑しかない境遇で、退屈な日々を送っていた。
島の同級生の実家の土蔵に海賊船が沈んだことを記した海図を発見し、サルベージしようとする。
同級生の計と、同じ山村留学生の花香と3人で夏の海に冒険に乗り出すことにした。
オリンピック候補生だった花香の挫折、田舎に希望を見出せず、早く島を出たい計。
また主人公の浩次が島にやってくることになった複雑な理由などがエピソードとして語られる。
早く大人になろうとあがく少年少女たちのひと夏を描いた作品。
雰囲気はいいけど、島の村上老人と浩次の父親の取り上げ方が中途半端だった。
200ページほどの作品なので、仕方がないだろうが、話は広げない方がよかった。