ハミングで二番まで

作者:香納諒一双葉文庫
ハードボイルド作家のデビュー間もないころの作品を収録した短編集。
「共犯」は弟の自殺に関する疑惑を、手紙のやり取りで解き明かしていく話。
「城ヶ崎へ」は事業に失敗した男が、幼馴染を殺害しようとする話。
「宴の夏」は昭和の歌姫が死亡し、その追悼番組を作るディレクターの話。
「鏡の冬」は作家を目指すフリーライターが故郷でトラブルに巻き込まれる話。
「交差の轍」は友人から盗聴器を探してほしいと持ちかけられる探偵の話。
「ハミングで二番まで」はガンで倒れた友人を訪ねてから、過去の秘密が暴かれる話。
この作家は文章が上手く、状況を手短にわかりやすく書く。もう少し評価されるべきだと思う。
ただ、この作品に関しては、面白さは他の長編に比べるとかなり落ちる。