海泡

作者:樋口有介|中公文庫
大学生の洋介は、夏休みを利用し、画家の父が住む小笠原の父島に2年ぶりに帰島する。
中学・高校と過ごした父島で、同級生達と会う予定だったが、帰島直後に、同級生の和希が展望台から転落死する。
和希は本土から来たストーカーに怯えていたが、自殺ということで処理される。
その後、ストーカー男も島に居座り、和希の死の真相を調べているようだったが、彼も殺害されてしまう。
平和な楽園で立て続けに起こった事件に、洋介は真相を調べるために調査をはじめる。
死の病に冒された少女や、猟師になった同級生、島のバーに流れ着いた女性との軽妙な会話で話が進む。
だが、話としては平凡で、ど田舎で気取った受け答えをする主人公の洋介には反発どころか滑稽ささえ感じた。
でも、東京から船便しかない小笠原の島の美しさを丁寧に書いているところは良かった。
地元の人たちしか知らない浜辺で、イルカのバーベキューをする描写などは綺麗だ。
暇つぶしにはなる小説。

海泡 (中公文庫)

海泡 (中公文庫)


脈絡は無いけど、
「世界で最も怖ろしい」絵
痛いニュースより。結構面白い絵がある。