真夜中の神話

作者:真保裕一|文春文庫
夫と娘を交通事故で失った薬学者の晃子は、インドネシアで新たなテーマを探していた。
だが、乗っていた飛行機が墜落し、晃子は奇跡的に生き残り、山奥の住民に救われる。
そこで出会ったのは、蝙蝠を操り、神秘的な歌声を持つ不思議な少女だった。
歌を聴き、晃子は驚異的な回復をとげ、村を後にするが、村人から少女のことは秘密にするようにと釘を刺される。
晃子が村から降りてきたことを知ると、付近の住民は明らかに恐れた様子を示し、滞在は許されなかった。
同じ頃、ジャカルタでは首を切られ、胸を杭で貫かれるという猟奇的な事件が立て続けに発生していた。
晃子は少女の持つ歌の力に惹かれ、ヒーリング効果を調べるため、再び、村を訪れようとする。
晃子は製薬会社の日本人、アメリカ人の神父、イタリア人のジャーナリストと村を目指す。
少女の持つ奇跡の力に目をつけたのは晃子だけではなく、少女は何者かに誘拐されてしまう。
吸血鬼伝説と宗教の共存、癒し効果をテーマにしたミステリーで、ストーリーは面白い。
でも、自分はこの作家の小説と相性が良くないのか、いつも集中して読むことができない。
おそらく、登場人物の描写に奥行きがなく、薄っぺらな感じがするからだろうな。
話自体は面白いで、残念。大きな賞を獲れないのも、このあたりに原因があるのだろう。
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