そして扉が閉ざされた

作者:岡嶋二人講談社文庫
最近の文庫で評価されているコンビ作家のミステリー小説。今はコンビを解消している。
事故死した娘の死因を探ろうと、富豪の遺族が事故現場にいた4人の若者を自宅に集める。
大学生の男女3人と、バンドをしているフリーターの男1。一応の主人公はこのフリーターだ。
4人は別々に薬物を飲まされ、地下にある核シェルターに閉じ込められる。
「お前達の誰かが娘を殺したのだ」という走り書きがあり、4人は各々推理を始める。
一貫して、地下に閉じ込められた閉塞した状況の中で、推理の披露が続く。
この会話劇の設定が面白く、最後まで飽きずに読める。
誰も皆容疑者であり、かつ犯行は不能という条件で、じわじわと犯人があぶりだされるのがいい。
傑作とは言えないけど、時間つぶしにはちょうどいい作品。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)