イニシエーション・ラブ

作者:乾くるみ|文春文庫
「必ず2度読みたくなる恋愛小説」でミステリーというオビに惹かれた。
80年代にヒットした歌謡曲のタイトルを章立てにしている。
まるで、かつての吉田まゆみの漫画のような印象だ。
話は、静岡の大学生の「僕」が、合コンで出会った「マユ」と恋に落ちる甘ったるい内容。
携帯電話もポケベルもない時代を懐かしく思い、前半のユルユル加減も良い。
社会人になった「僕」は東京で働くことになり、「マユ」とは遠距離恋愛の関係となる。
やがて東京で新しい恋人ができ、「マユ」と別れることを決意するのだが。
どこがミステリーなのかと思っていたが、結末の2行目で鮮やかにわかる。
大阪に戻る新幹線の中で面白く読んだ。でももう一度読みたいとは思わない。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)