東京伝説 溺れる街の怖い話

作者:平山夢明竹書房文庫
サイコパスによる狂気の被害に遭う話を集めた怪談集も8作目。
竹書房の前にハルキ文庫からも1冊出ているので、正確には9作目。
殺人の動機の質が落ちて、動物の喧嘩のようだ冒頭で作者が述べている。
それを反映しているのか、少し今までの作品に比べると残酷さは薄れている。
それでも、拉致した女性の頭蓋骨をむき出しにする「ブラシ刑」はイカれている。
今までの作品と少し変わったかなと思うのは、傍観者の行動の後味の悪さだ。
「電車かまいたち」と「ゴヒャクエンチョーダイ」がそれに当てはまる。
「ひょっとこ」のように何の関係もないのに理不尽な被害に遭う話もある。
独白するユニバーサル横メカトール」でブレイクした作者だが、本質はこのシリーズにあると思う。
漫画の「殺し屋イチ」や「シグルイ」を好む人にはオススメのシリーズ。

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