楊令伝 一

作者:北方謙三集英社
北方謙三水滸伝は本当に面白かった。これほど興奮できた小説はほとんどない。
1,2巻の同時発売から読み始め、3ヶ月おきに出る新刊が待ち遠しくて仕方が無かった。
19巻で梁山泊が陥落し、終焉を迎えるのだが、もう続きは読めないのかと寂しく思った。
原典も好きで、何度も読んだが、北方水滸伝も何度も読み返した。
多くの好漢たちの死に様が怒涛のように押し寄せてくるのが良い。
で、この楊令伝は、その水滸伝の続編で、梁山泊陥落の3年後から始まる。
中国全土に散らばり、生き残った好漢たちが、再起をはかろうと駆けずり回っている。
水滸後伝に出てくるキャラクターも出てくるし、好漢たちの遺児も登場する。
また新しい国を作ろうと暗躍するところは限りなく期待できる。
先の作品で戦死した好漢たちのことを思い出すシーンが描かれているのはいいな。
10巻まで続くようだが、また楽しみが増えた。