正義を測れ 不動産トラブル請負人

作者:小杉健治|光文社文庫
土地家屋調査士」を主人公にした、一風変わった社会派ミステリー。
雨季子は隣人とのトラブル解決のため、調査士の大地に依頼をした。
その風貌と手腕に惹かれた雨季子は、大地の事務所に押しかけ就職する。
正義感に溢れる大地だが、妻が失踪し、その後、信頼する先輩が失踪した過去があった。
雨季子の感情に気づきながらも、クールに問題を解決し、先輩の石橋の存在に迫る大地。
短編集の体裁をとっているが、結末で失踪の理由が明らかになる。
結構ヘヴィーな結末だが、意外さにあふれている。大地のうろたえぶりがいいな。
「父からの手紙」「土俵を走る殺意」と良い作品を出しているのだが、目立たない作家だな。

正義を測れ (光文社文庫)

正義を測れ (光文社文庫)