逃亡作法

作者:東山彰良|宝島文庫
第1回「このミステリーがすごい」の大賞(銀賞)作品。
ちなみに金賞は「四日間の奇蹟」でこちらは文句なしに面白かった。
舞台は近未来の日本で、犯罪受刑者たちの逃亡を防ぐために、懲役者にある手術を施すことになった。
アイポッパーとよばれるこの施術は、犯行や脱走を企てようとすると、目玉が飛び出すシステムだ。
中国人のツバメは、韓国人グループと反目しながら、懲役生活を送っていた。
そんなとき、連続暴行犯の鬼畜の川原が入獄し、彼を殺そうとするテロリストが刑務所に侵入する。
テロリストはアイポッパーのシステムを解除し、受刑者達はいっせいに脱走してしまう。
ツバメは何故か川原を連れて逃走し、博多湾近くのコンテナに隠れ住むことになる。
脱走した受刑者の目玉をいっせいに破裂させる法案を通した政府。
日本から逃げ出すために、ツバメは極上の大麻を奪おうとする。
そこに立ちふさがる韓国人グループと、目玉をつぶされたヤクザと手を組んだテロリスト。
ウィットな会話とスリリングな展開は面白いが、少し冗長な感じがした。
主人公のツバメの人物描写が掴み所がないからだろうと思う。
登場人物を映画俳優になぞらえてイメージ付けるのも余計だと思った。

逃亡作法 TURD ON THE RUN (宝島社文庫)

逃亡作法 TURD ON THE RUN (宝島社文庫)