きれぎれ

作者:町田康|文春文庫
全編にわたり、狂人のたわ言のような独白が延々と続く怪作。
ただ、言葉の使い方が印象的で、言葉の選び方が計算されているようなイメージがある。
この世ではありえない狂った世界だが、言葉が映像となり、不思議と鮮やかに浮かび上がる。
芥川賞受賞作品の「きれぎれ」と「人生の聖」の2作が収められている。
「人生の聖」の脳みそがスケルトンのブレイン・ジョーンズには笑ってしまった。
とにかく、言葉の使い方には驚いた。一気に読んで、疲れてしまった。
こんな小説にお目にかかることはあまりないだろうし、読み続けるとおかしくなりそうだ。
たまにはこんな刺激も必要なのかもしれない。鋭い言葉が未だに頭に残っている。

きれぎれ (文春文庫)

きれぎれ (文春文庫)