世界の終わり、あるいは始まり

作者:歌野晶午角川書店
小学校低学年の男児ばかりを狙う連続誘拐事件が発生。
いずれも身代金の受け渡し前に射殺され、遺体で発見される。
富樫修は、妻と小学6年の息子と小額年の娘と平凡な暮しを送っていた。
だが、息子の机の中から、誘拐事件の被害者の父親の名刺を発見して、一変する。
息子が犯人ではないかと疑いを持った修は、息子の近辺を調べ始める。
次々と息子が犯人である証拠が現れ、修は苦悩する。
息子を警察に突き出すべきか、殺すべきか、誰か別の人間に罪をかぶせるか?
様々なシミュレーションの結果を想像し、その都度、絶望にかられる。
現実との間に展開される妄想と修の小市民っぷりが、妙にリアルで面白い。

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)