子守り首

作者:福谷修幻冬舎文庫
落ち目のプロデューサーの了は、精神を病んだ妻と別居し、息子と二人暮し。
仕事もヒット作に恵まれず、そろそろ社内でも左遷の声が聞こえていた。
そんなとき、かつての仕事仲間から14歳の少女セラを紹介される。
抜群の歌唱力を持つセラを一目見て、了は再びヒットを確信する。
問題はどんな歌を歌わせるか?了は息子の保育所で聞いた童謡をセラに歌わせることにした。
作曲家を調べると、50年以上前に自殺した童謡作家だったので、著作権の問題もクリア。
レコーディングに入るが、スタッフが立て続けに発狂して、死亡する事故がおきる。
了は同級生の今日子とともに、童謡が生まれた群馬県の寒村に調査に赴く。
そこは廃村になっており、廃屋の中には首の無い狼の像が転がっていた。
土地の古老に話を聞くと、半獣の子供を生んだ娘を村人が打ち殺したことで、殺戮が起こったらしい。
不吉な話を聴いた後も、歌に魅入られるように、レコーディングは進んでいく。
その後、ゲリラライブで聴衆が殺し合いを始めたことで、了は改めて調査を始める。
歌声の中に発見される呪いの言葉。この歌は世の中に出すべきではない。
おどろおどろしさとスプラッタをミックスしたホラー。
傑作ではないが、それなりに面白く読めた。

子守り首 (幻冬舎文庫)

子守り首 (幻冬舎文庫)