シュレッダー

幼児が指を切断するという痛ましい事件が発覚している。
自分もシュレッダーにはネクタイを引き込まれた苦い思い出がある。
事務所の死角になっている場所で、独りでのんびり書類を裁断していた。
突然、首が引っ張られるような強い衝撃があった。
「ネクタイが引き込まれている!」とそのときは笑う余裕があった。
でも、引き込む力は思いのほか強かった。首が引き込まれていく。
だんだんと「ストップボタンはどこ?」とパニックになった。
何とか機械を止めたが、シュレッダーにしがみつくような体勢。
ネクタイが食い込み、身動きがとれない。
ハサミは無いかなと狭い視野で見渡すが、そんなに都合よくはない。
身動きが取れずにいると、背後から「気分でも悪いのですか」の声。
バイトだ。「すまん、カッターかハサミ持ってきて」
「えっ!どないしたんですか」と横に回り込んできた瞬間に爆笑。
その後、彼はハサミではなく、大勢の人を連れてきた。
携帯にカメラの無い時代で本当によかった。
シュレッダーをなめたらあかん。