スローモーション

作者:佐藤多佳子ピュアフル文庫
作者初期の作品で、今から10年以上前に書かれたモノ。
千佐はごく普通の女子高生だが、兄の存在が鬱陶しく思っている。
元ヤンキーの兄は交通事故のおかげで、引き篭もりのようになった。
父親は小学校教師で、兄の事故もあり、主人公の門限は8時だ。
水泳部に入りながら、友人とクラブに出かける要領の良さもある。
だが、クラスのイジメられっ子の及川のことが気にかかるようになる。
彼女は犯罪者の娘らしい。及川に構う千佐はイジメの対象となってしまう。
いつしか兄と及川と千佐は3人で行動をするようになる。
結構重いものを背負った人たちのさりげない日常の物語。
まあまあの面白さ。今のところ「黄色い目の魚」がベストだと思う。
それにしても、女子高生の言葉の悪さは90年代初頭からも現れていたのか。