ぐるぐるまわるすべり台

作者:中村航|文春文庫
大学を中退し、バンド活動に専念することにした主人公。
ネットでメンバーを募集する。
その傍ら、塾の講師をして不登校の少年の面倒を見ている。
メンバーとのやり取りはメールで進む手法が斬新だ。
だが、自分と同じボーカルの男が応募してきたことで、変化が訪れる。
結末の主人公の行動は不可解だが、もう1篇の「月に吠える」がよかった。
表題作で募集に応じた、同じ職場で働くギターとドラムの話。
OJTで知り合った二人の話は、バンドの話からかけ離れている。
むしろ、職場内の改善に取り組む話が主題だが、やり取りが巧妙。
彼らのバンドはまだできていない。続編があればぜひ読みたい。