ゴールデンタイム〜続嫌われ松子の一生

作者:山田宗樹幻冬舎
嫌われ松子の一生」に出ていた大学生のカップルが主役。
松子の死から4年経ち、甥の笙は大学を出て、東京でフリーターになった。
笙と付き合っていた明日香は大学を中退し、佐賀の医大に再入学した。
笙は下北沢でくすぶっていたが、ユリとミックに出会い、演劇に目覚める。
だが、ミックが癌に冒され、劇団は消滅の危機に陥る。
生きる希望を見出してあげようと、笙はミックを励まし続ける。
一方、明日香は同学年の熊本の大病院の跡取り息子からプロポーズされる。
絵に描いたような玉の輿だが、自分の進みたい人生と向き合い、悩む。
そんな中、アメリカ留学の話が持ち上がる。
異なる環境で歩き始めた二人だが、お互いのことは気になっていた。
次作がありそうな雰囲気で終了。
主人公二人の独白で、ストーリーが進むのは、「嫌われ松子の一生」を踏襲している。
どう生きるべきかというということより、今を生きることの大事さに気づかせてくれる。
そこに説教臭さはなく、前作を読んでいなくても、十分に面白い。
いい作品を出し続けている作家だと思う。