天使の代理人(上・下)

作者:山田宗樹幻冬舎文庫
助産婦の冬子は数え切れないほどの堕胎手術に関わってきた。
だが、ある時の手術で生きている胎児を目にして、中絶反対運動に目覚める。
自費出版で本を出すが、全く売れない。ただ、テレビ出演をきっかけに同調者が集まる。
医療ミスで中絶させられた有希恵は、中絶をキャンセルした同名の妊婦を探し出そうとする。
エリート行員の弥生は、結婚せずに自分の子供を得る手段を探す。
中絶問題を問う作品で、作者の持ち味のサスペンスの要素も強い。
面白い作品だが、「嫌われ松子の一生」や「黒い春」に比べると劣る。
主要な登場人物のほとんどが女性というのが、緊迫感を欠いているのかな。
偽善的な感じもした。

天使の代理人〈上〉 (幻冬舎文庫)

天使の代理人〈上〉 (幻冬舎文庫)