都立水商!

作者:室積光小学館文庫
後に文部大臣となる官僚が、酔っ払った勢いで水商売の専門教育の高校を作る。
その名も都立水商業高校。ホステス科、ソープ科、ホスト科などの学科で設立。
物語は設立10年後に、高校を去る教師の過去の回想で進行する。
荒唐無稽な小説だが、文体にも独特の雰囲気があり、不思議な小説だった。
ソープの訓練やホステスの校外実習など、ありえない話もある。
圧巻は高校野球の話で、江夏や長嶋、元木が出てくるところはかなりシュール。
でも本質は水商売のプロフェッショナルを目指す、少年少女達の青春小説だ。
教師達の真面目な言葉もおちゃらけにならなくていい。
まったく知らなかった作家の本だが、面白かった。

都立水商 (小学館文庫)

都立水商 (小学館文庫)