空山

作者:箒木蓬生|講談社文庫
空夜」の続編。前回の登場人物がそのままだが、主役は入れ替わっている。
今回の主人公は恋人を失った後、市会議員になった俊子で、テーマはゴミ問題。
のどかだが、美しい自然に囲まれた九州の田舎町に不法投棄されるゴミ。
前回主役だった真紀や慎一の住む隣村に新設されようとする処分場。
自分達が生まれ育った土地の自然を大切に思う人たち。
俊子は女性議員達に働きかけ、地域の人たちのネットワークを作り、立ち向かう。
そこに偽善の匂いを感じてしまうのは、あくまで自分がひねくれているからだな。
大型商業施設に対抗するための地元商店街の活性化などは、読んでいて面白いが。
この人の小説は、正義感にあふれた人が主人公で登場することが多い。
で、主人公には困難が降りかかるのだが、それが足りないような気がした。

空山 (講談社文庫)

空山 (講談社文庫)