K・Nの悲劇

作者:高野和明講談社文庫
夏樹修平が書いた本がベストセラーになり、妻の果波も幸せな日々を送っていた。
だが、果波が妊娠し、修平が中絶を望んだことから、果波に別の人格が現れる。
修平は精神科医の磯貝を紹介され、診察を依頼する。
だが、磯貝は、患者を目前で自殺未遂に追いやった苦い過去を持っていた。
修平と磯貝は果波を治療しようとするが、誰かが憑依したような症状はますます強くなる。
とりついているのは果波の同級生だとわかったが、彼女はすでに死亡していた。
オカルトを排除しようとする精神科医と、看病を続けるうちに同化する修平。
何となくエクソシストを髣髴させる作品だが、ホラーではない。
純然なミステリー作品で、読んでいるうちはかなり面白かった。
結末に意外さがなかったことだけ、マイナスで、この人の作品は面白い。

K・Nの悲劇 (講談社文庫)

K・Nの悲劇 (講談社文庫)