繋がれた明日

作者:真保裕一朝日文庫
人殺しをした男が仮釈放で出所した。男は保護司の紹介で解体屋で働き始める。
母や妹にすまないという気持ちはあるが、被害者には真摯に謝罪できないでいる。
犯罪を犯す前の不良仲間が彼のアパートにやってくるが、男は追い返す。
その直後、「この男は人殺しです」という中傷文書がばらまかれ始めた。
妹は仕事を退職に追い込まれ、逆上した男は中傷文書の元を突き止めようとする。
かつての不良仲間、刑務所内での仲間、被害者の遺族の姿がちらつく。
人殺しは、生きている限り、罪を背負わなければならないのか?
非常に重苦しい雰囲気の小説で、ドキュメンタリーのようだったが、面白かった。
一気に読んでしまった。真保裕一ってこんなテーマも書くのかと新鮮だった。

繋がれた明日 (朝日文庫)

繋がれた明日 (朝日文庫)