ねじの回転(上・下)

作者:恩田陸集英社文庫
時間遡行装置を発明して、歴史を捻じ曲げたことで、人類絶滅の危機を迎えた近未来。
国連は、現状の世界に蔓延する疫病を駆逐するために、
歴史をさかのぼり、史実を微妙に元に戻す(変える?)作業を行っていた。
その介入ポイントとして選ばれたのが、日本の2.26事件だった。
国連チームは昭和11年に遡り、当事者の安藤大尉と栗原中尉、
それから石原莞爾に任務を与える。
史実と少し違う方向に向かいそうになると、時間を巻き戻される3人。
そのうちに、未来でしか発生しなかった疫病が東京で発生する。
国連チームと3人の軍人は歴史を戻すことができるのか?
自らの運命を知りながら、行動する安藤大尉と栗原中尉は良かった。
この作者には珍しいSF小説。
時空を超えた自分達が実は影響を与えていたというのは使い古された手法だ。

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)