余は如何にして服部ヒロシとなりしか

作者:あせごのまん角川ホラー文庫
第12回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
表題作は仕事を辞めた主人公が友人の姉に導かれるまま、家に着いていく話。
最初は一緒に風呂に入ったりして、エロティックな雰囲気。
だが、子供を殺したり、カラスの足を切ったり、段々と常軌を逸していく。
自分が誰だか分からなくなる恐怖を描いた短編。
他に3篇がおさめられているが、「浅水瀬」が一番面白かった。
バイクで事故った大学生の周りに人が段々と増えていくのだが、助けてくれる気配はない。
集まった人は怪談を語るのだが、最後の老婆の繰言が強烈だ。
全体の内容としてはまあまあだが、そのうちに面白い作品が期待できそう。