僕たちの戦争

作者:荻原浩双葉社
2001年に生きるフリーターと1944年に特攻の出撃を待つ少年兵が入れ替わる話。
これは面白かった。単行本で400ページ以上あったが、一気に読んだ。
彼女と喧嘩中のフリーターの尾島健太は、一人でサーフィンに出かけた。
少年飛行兵の石庭吾一は霞ヶ浦を飛行中に霧に包まれ、意識を失う。
ここから現代の少年と終戦前の少年兵の入れ替わりの物語が始まる。
時代の異なる空間で順応していく二人を交互に描くところが面白い。
二人の視点が、現代も戦時中も自分の言葉で描かれるのが笑える。
健太の彼女のミナミと戦時中の祖母の文子の存在もいい。
終戦を迎えたのに特攻に赴く健太と、現代の享楽的な生活に違和感を覚える吾一。
面白いのに、悲しくなる作品だ。たぶんドラマ化されるな。

僕たちの戦争

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