怪笑小説

作者:東野圭吾集英社文庫
この人の短編集を読むのは初めてだったが、少し作風に違和感があった。
タイトルにもあるとおり、ブラックな笑いを誘う内容で面白い。
乗客で混みあう電車の中で、お互いが心の中で悪態を付きあう「鬱積電車」
自分の息子を何としてでもプロ野球選手に育てようとする「一徹おやじ」
UFOの正体はタヌキの文福茶釜であるという説を信じる男の「超たぬき理論」
ある日路上に現れた死体を町内会同士で押付けあう「しかばね台分譲住宅」
面白いのだが、この人がわざわざ書く作品なのだろうかと思っていたら、
巻末に結構長めの作者による「あとがき」があり、1作ごとに言及されている。
だが、ダサ過ぎる一つの作品名が作者にギャグのセンスが無いのではと思う。

怪笑小説 (集英社文庫)

怪笑小説 (集英社文庫)