発火点

作者:真保裕一講談社文庫
杉本敦也は12歳の夏に父を殺された過去を持っている。
殺したのは父の友人で、その当時同居していた。
父を殺された過去をいつまでも引きずり、東京で自堕落な生活を送る敦也。
こらえ性のない性格で、バイトも女性もとっかえひっかえの日々。
そんな中、父を殺した友人が仮出所した話を聞き、故郷に戻ることを決意する。
12歳の過去を振り返る章と、現在のトラブル続きの章が交互に綴られる。
自分の矮小さを赤裸々に語り、父の友人と再開するまでの敦也の再生の物語。
文庫本で600ページ近い長編だが、一気に読めた。ただ全編を通して暗い雰囲気。
海のある故郷を持っているのはいいなと思う。