龍時01-02

作者:野沢尚|文春文庫
日本に見切りをつけ、16歳でスペインに渡った少年が主人公のサッカー小説。
下部組織から徐々にステップアップしていく様子が、試合を通じて描かれる。
下宿先のスペイン人親娘や、チームメイトの交流もいい感じだ。
ただサッカーの試合を小説で描くのは難しいなと思った。
個人のプレーを描写しても、試合内容がまったく見えてこないからだ。
それに主人公が今から20年後には自分は存在しないと思い込んでいる。
自殺したこの作家の心情が表れているのかと思うと、いい気がしない。
続編も出ているが、たぶん読まないだろうな。