塩狩峠

作者:三浦綾子新潮文庫
明治時代の北海道で、暴走した汽車に我が身を投げ出し、乗客を救った、
童貞の一生を描いた名作。
東京で、父と祖母と暮らしていた信夫に生き別れになっていた母が現れる。
キリスト教徒の母を追い出した祖母は悶絶死し、信夫はキリスト教に不信感。
成長し、友人の妹に微かな恋心を抱き、悶々としながら、生きる意味を探す信夫。
その後、友人一家は夜逃げし、北海道へ逃れるが、友人とは文通を続ける。
友人の妹が忘れられず、北海道に渡った信夫はいつしかキリスト教信者になる。
鉄道員として働く傍ら、日曜学校で子供相手に聖書を読む日々を送り、
いよいよ友人の妹と結婚することがきまるが、結ばれることはなく、結末へ。
生きる意味を真摯に考えた信夫に共感はもてるが、性欲ぐらい発散させろよと思う。
現代では通用しない道徳書のイメージが強いが、話は面白い。

塩狩峠 (新潮文庫)

塩狩峠 (新潮文庫)