グレイヴディッガー

作者:高野和明講談社文庫
この作品は単行本が出たときに買おうと思っていた。
前作の「13階段」が傑作だったからだ。なぜ買わなかったのだろう?
今となってはわからないけど、これもとても面白かった。
ケチな詐欺から足を洗い、改心しようとする主人公は骨髄ドナーとなる。
移植手術を前日に控え、病院にむかう途中、殺人事件に巻き込まれる。
警察から容疑者として追われ、謎の集団からは命を狙われる。
目撃者となった殺人から、その日のうちに次々と猟奇殺人が発生。
中世の魔女裁判にまつわる「グレイヴディッガー」の伝説を模倣した殺人。
東京を北から南に逃げ回る主人公。彼をよく知る刑事は何とか救おうとする。
ミステリーとアクションとハードボイルドが上手くミックスされている。
ただ、主人公とベテラン刑事の交流は過剰で、鼻につく。
意外な人物が「グレイヴディッガー」なのだが、その動機が軽いように思うし、
発覚する経緯も少し安易だ。そんなことを差し引いても読んでいるうちは面白い。

グレイヴディッガー (講談社文庫)

グレイヴディッガー (講談社文庫)