殺し屋シュウ

作者:野沢尚幻冬舎文庫
横浜の悪徳刑事を父に持つ主人公が殺し屋になる理由が第1章で語られる。
第2章はアメリカで殺し屋修行を積みながら、最初の殺人シーンを描く。
日本に戻り、大学の助手をしながら、様々な殺人の依頼を受ける主人公。
才能が枯渇したロックシンガーやアルツハイマーの映画制作者など、
何となく悲しい理由の標的も葬り去るが、このあたりの描き方が上手い。
全編にわたって、登場する人物には死に対する恐れが感じられず、
虚無的で乾いた雰囲気に満ちている。
面白い作品だけど、作者はもうこの時期に自殺を考えてたのかな?

殺し屋シュウ (幻冬舎文庫)

殺し屋シュウ (幻冬舎文庫)