木曜組曲

作者:恩田陸|徳間文庫
耽美作家の巨匠が謎の死を遂げ、その命日となった木曜日に集まる女性たち。
彼女たちは作家や編集者など、皆出版に携わる仕事をしている。
慕っていた巨匠の死に、皆疑問を持っていて、そのことをぶつけ合う。
自殺か、他殺か?それぞれが推理を披露するのだが、最初から鬱陶しく感じた。
こんな会話劇は「ネバーランド」では上手く書かれていたのだが・・・
作家としての苦悩を登場人物に語らせるシーンが多く、赤裸々な感じがした。
これは作家としての恩田陸が感じていることを書いているのか?
そうだとしたらよく書けるなと思うが、肝心の話がつまらない。
最近この人の本はたくさん出ているし、話に引き込む文章力は上手いと思う。
でも、結末が「あっ、そうなんや。ふーん。」というものが多いから残念。
たぶん、登場人物に毒が無いからだろうな。少年・少女ならいいのだけど。

木曜組曲 (徳間文庫)

木曜組曲 (徳間文庫)