阿修羅ガール

作者:舞城王太郎新潮文庫
三島由紀夫賞受賞作が文庫化。
女子高生アイコは、リビドーのおもむくまま同級生とエッチをする。
その後、本当に好きな男を考え、自己嫌悪におちいる。
翌日、昨日エッチした男が誘拐され、足の指が自宅に送られて来た事を知る。
アイコの周りではグルグル魔人による三つ子のバラバラ殺人や、
インターネットサイト「神の声」による中学生襲撃事件が頻発しており、
かなりデンジャラスな状況になっている。
そんな中アイコは金槌で殴られ...ここまでが第1部。
第2部は生死の境を彷徨うアイコの妄想で綴られる。
このシーンは、映像が頭の中に簡単に再現できるほど上手く書かれている。
第3部にようやくこの世界に戻ってくるのだが、好きな男には振られたようだ。
阿修羅の意味もここで明かされる。
テンポの良い作品だが、これが何かの受賞作になるのはなぜと思った。
要するにあまり面白くなかったということだ。
同時収録の短編「川を泳いで渡る蛇」は深夜兄弟げんかで、
おとなしい弟が突然キレる作品。吉田修一を彷彿させる。これは面白かった。

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)