燃えよ剣(上・下)

作者:司馬遼太郎新潮文庫
いけないと思うが、東京に戻ってくると、イライラした気分になる。
この本はいまさらながらであるが、実は初めて読む。
沖縄の行き帰りの飛行機の中で、軽く読もうと思っていた。
ところがこれはとても面白かった。
新撰組副長の土方歳三の生き様を描いた幕末小説。
京都の新撰組のエピソードはよく知っていたが、この本の面白いのは、
近藤勇が処刑され、沖田総司結核に倒れ、
土方が奥羽・北海道を転戦し、一人で戦うところ。
京都にいた時に陰険な喧嘩師だった土方が、いつのまにか勇猛果敢な武将になる。
軍艦に乗り込み、切り込むシーンや小銃を撃ちまくり、函館の陣地を守り抜くところは痛快。
徐々に死を覚悟し始める心境の変化が悲しくもあり、美しかった。

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)