ニッポニアニッポン

作者:阿部和重新潮文庫
芥川賞受賞のこの作者の本は初めて読む。
表紙がクイーンの「オペラ座の夜」を模しているのが気に入った。
ニッポニアニッポンとは朱鷺の学名。
17歳の鴇谷春生は引きこもりで、朱鷺に対して異常な興味を持っている。
ストーカー行為のため、彼は故郷の山形を放逐され、東京に一人住まい。
蕎麦屋を営む両親から毎月15万円の仕送りをせしめ、
アパートに引きこもって、インターネット三昧の日々を送っている。
彼は妄想にとりつかれたイカレポンチで、いつしか国の保護鳥である朱鷺を
抹殺しようと考えるようになる。インターネットで武器を仕入れ、
実際に襲撃するための予行演習として、周辺の浮浪者をスタンガンで襲撃。
計画を練り上げ、彼は保護センターのある佐渡島に渡る。。。
主人公の壊れぶりが面白く、文体もいい。
実際にこんな自己中心的な異常者が最近は増えているのではないだろうか?

ニッポニアニッポン (新潮文庫)

ニッポニアニッポン (新潮文庫)