左手首

作者:黒川博行新潮文庫
大阪が舞台の犯罪小説の短編集。
それぞれの短編に出てくる犯罪者は欲の皮が突っ張っていて、
皆どこか抜けている。自分の周りにはいて欲しくないタイプばかりだ。
素人が集まった賭場の金を狙って襲撃する「内会」
風俗の店を買い取るために、マルチで金をためた夫婦の家に強盗に入る「徒花」
美人局が誤って、客を殺してしまい、その死体の処分に奔走する「左手首」
など、やっぱり上手くいかないかと同情してしまう。
この人の作品は好きだ。作中に必ずひねりがあるし、
こてこての大阪弁と昔いつも歩いていたところが作中に出てくる。

左手首 (新潮文庫)

左手首 (新潮文庫)