記憶の果て

作者:浦賀和弘|講談社
自殺した父親が残したパソコンに宿る人工知能。彼女は誰なのか。
青春小説のテイストの濃いミステリー。98年のメフィスト賞作品。
これを書いたのが二十歳前後というなら、すごい才能だ。
文章も上手く、話の進め方は飽きさせない。結末手前までは傑作だと思った。
ただ、なぜ父親が自殺したのか、現実の彼女とはどうして2度と会わなくなったのかなど、
肝心の謎が解き明かされないまま、終わったのが残念。
で、解説を読み、少しだけ納得。今後の作品に続く内容なのだそうだ。
これを読めば、続きも読むことになるのだろうけど、
できれば一つの小説として、完結させてほしかった。

記憶の果て (講談社文庫)

記憶の果て (講談社文庫)