平山夢明

この人の本を初めて手に取ったのは、10年ほど前。
「異常快楽殺人」という単行本だった。(今は文庫化されている)
コリン・ウィルソンの犯罪研究の本を学生時代に読んでいたので、
ここでとりあげられているエド・ゲインやアルバート・フィッシュの
ことは知っていた。日本人が海外のサイコキラーを取り上げるのは
当時珍しく、描写も凄惨で面白く読んだ。
その後、ハルキ・ホラー文庫の「メルキオールの惨劇」を読み、
頭のおかしなキャラクターを上手く描くなと思った。
その後、同文庫の「東京伝説」「怖い本」を読んだ。
最近は竹書房文庫というマイナーな文庫から、その続編となる
「東京伝説」「超怖い話」が出ている。
「東京伝説」は変質者やサイコパスが出てくる新しいタイプの怪談集。
「超怖い話」はどちらかといえば、オーソドックスな怪談だ。
はっきりいってこの人の本は面白い。
『生理的に嫌な話を書かせたら日本で三指にはいる小説家』というのは
うなずける。グロ・スプラッタ・狂気の描き方がいい。
他に「つきあってはいけない」「鳥肌口碑」も面白い。