金色機械

作者:恒川光太郎文藝春秋
単行本オビ
触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、
自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、
幼き日に犯した罪を贖おうとするかのように必死に悪を糺す同心、
人々の哀しい運命が、謎の存在・金色様を介して交錯する。
人にとって善とは何か、悪とは何か。


江戸時代中期、遊郭の大旦那・熊悟朗の元に、遥香という女性が訪ねてくる。
熊悟朗には嘘を見破る能力があり、遥香は手の触れた人を安楽死させる能力を持っていた。
遥香の過去、熊悟朗の過去が綴られ、さらに遥香と生活を共にする同心、柴本厳信の過去が描かれる。
3人に関わるのは「金色様」と呼ばれる金色の顔をしたロボットのようなモノの存在。
人の言葉をしゃべり、戦わせると無敵で、戦国時代に月からやってきたという。
今までの作者独特の世界観に比べると現実的だが、それでも幻想的な雰囲気が漂い、面白かった。



金色機械

金色機械