夜の床屋

作者:沢村浩輔|創元推理文庫
大学生の佐倉と高瀬が晩秋の登山で迷い、ようやく降り立った駅で不思議な床屋を発見する。
表題作の「夜の床屋」が始まるが、不思議な雰囲気に満ちている。
「空飛ぶ絨毯」は絨毯だけ盗まれた謎を解く話。
ドッペルゲンガーを捜しに行こう」は、同じ肉体を持った少年を捕まえようとする話。
「葡萄荘のミラージュ」は人魚が実在し、そのお宝を探す話。
その謎を引き継いだ「人魚姫を売る男」も幻想的だ。
いずれの話も佐倉が探偵役となる短編集。
雰囲気は悪くないけど、謎を解き明かすシーンは陳腐。
ただ、設定づくりは上手いので、今後に期待できるかもしれない。


夜の床屋 (創元推理文庫)

夜の床屋 (創元推理文庫)