罪火

作者:大門剛明|角川文庫
若宮は30代半ばで、かつて少年時代に殺人事件を起こした過去があった。
被害者と向き合い、修復療法に参加する小学校の校長の理絵と出会い、表向きは更生していた。
だが、正社員として就職できず、食品工場では、年下の上司から、叱責を受ける日々を送っていた。
鬱積した若宮は、夏祭りで出会った理絵の娘の花歩をささいな激情で殺害してしまう。
若宮は自首するつもりだったが、警察は、花歩の担任の教師を逮捕する。
若宮が殺害した後に、花歩に凌辱を加えていたが、殺害に関しては否認する。
若宮は自分の罪を隠すために、理絵に近づき、花歩の日記を盗み出す。
理絵は、若宮の行動に不審なところを見つけ、若宮を疑い始める。
犯罪者は更正できないのか?伊勢を舞台にした、重苦しい社会派ミステリー。
結末にどんでん返しはあるが、まあまあの内容で、悪くないけど、傑作ではない。