シャイロックの子供たち

作者:池井戸潤|文春文庫
東京の大田区にある東京第一銀行長原支店を舞台にした連作集。
副支店長が部下を殴り、問題になり、ぱっとしない中堅社員が融資に躍起になる。
行内では100万円の紛失事件が発生し、窓口の女性が疑われる。
銀行を舞台にした人間ドラマかなと思っていると、中盤からミステリに変貌する。
100万円の紛失を調べていた行員が失踪し、本部から調査員が訪れる。
7話目の「銀行レース」は競馬がテーマの非常に面白い話だった。
序盤は銀行で働く人たちの群像劇で、その後の展開は鮮やかだ。
ただ、最近の作品が充実しているから、ちょっと中途半端に思えてしまう。


シャイロックの子供たち (文春文庫)

シャイロックの子供たち (文春文庫)