TUBEの前田

ちょっと忙しいので、いつもよりかなり早い時間に電車に乗った。
6時台の電車はさすがに空いているが、自分は扉にもたれて立っていた。
先頭を進む車両から急に眩しい太陽の光が差し始めた。
近くに座っていた男性の顔にも日差しが通りすぎた。
何となく眺めていると、瞼がぴくぴくして、目をあけると同時に「あーーーー」と絶叫した。
知的障害者だったようで、そのまま、哄笑のような叫びで席を立ち、隣の車両に走り出した。
特殊な人の目覚めを見る希少な機会だった。
何だか、TUBEの前田に似ていた。