アウト&アウト

作者:木内一裕|講談社文庫
元ヤクザの幹部で45歳の矢能は、何故か私立探偵となった。
前任者を引き継いだのだが、依頼はほとんどこなせなかった。
小学生の女の子が同居人で、近くには隠れ家を提供する老婆がいる。
昔のヤクザの紹介で、依頼主の元を訪れるが、依頼主は射殺されていた。
その横にはクリントンのお面をかぶった拳銃を持った男がいた。
罪を着せられそうになった矢能だが、機転を利かし、かわすことに成功する。
元ヤクザのプライドにかけて、矢能はクリントンを追い詰めることにした。
すると、ある国会議員の海外での暗躍が浮かび上がってきた。


漫画「BEE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者が、作家に転向して、すでに何作か上梓している。
デビュー作はそんなに面白くなかったが、これはそれなりに面白い。
ストーリーより、矢能の周りに現れる汚職刑事や、死体を始末する掃除屋などの取り巻く人物が良い。
ヤクザなりの落とし前のつけ方も意外にすっきりしている。
ただ、漫画に比べれば、面白いというより、悪くないというのが感想だ。


アウト & アウト (講談社文庫)

アウト & アウト (講談社文庫)