ジェノサイド

作者:高野和明角川書店
息子の難病の治療のため、イエーガーは傭兵として戦場で金を稼いでいた。
アフリカで破格の値段のオペレーションに誘われるが、内容は秘密だった。
息子の治療費のため、イエーガー南アフリカに移動し、3人の傭兵たちと合流する。
ミッションは、治療法のない死病に感染しているピグミーの虐殺だった。
エボラ出血熱をはるかに上回る致死率で、潜伏期間が長く、感染者を殲滅するしかないというのがアメリカの結論。


一方、大学院で製薬を学ぶ研人は、父親の不慮の死で、不思議なソフトを手に入れる。
さらに父からのダイイングメッセージが届き、先天的遺伝子異常の子供の治療薬を作ることになる。
同時に、怪しげな連中が研人の周りに現れ、研人に託されたソフトとパソコンを奪おうとする。
父は何で命を落としたのか、何故自分に製薬を託したのか?


そのころ、アフリカでは、新たな人類が誕生していた。


人類の歴史の転換点を描いた壮大なスケールのミステリー。
アフリカの内戦下のもと、4人対7万人という絶望的な状況を描いたアドベンチャー
さらに、父の遺志を継ぎ、薬を作るために、謎の組織に追われるサスペンス。
正義の国のアメリカが、自国の利益のため、邪魔な人間を第3国に送り、拷問で殺す現実。
エンターテインメントの要素が満載の傑作。
結末もスッキリしている。これは面白かった。


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