ハナシがはずむ!

作者:田中啓文集英社文庫
青春落語ミステリの3作目。
上方落語の重鎮の笑酔亭梅寿の内弟子になった金髪トサカ頭の竜二。
相変わらず、師匠には無茶な要求をされ、振り回され続ける。
今回は、動物園状態の小学校で落語をやらされ、中の悪い中堅落語家のあいだを取り持つ。
大女優の吉原あかりに目をつけられ、落語を止めて役者を目指そうとする。
でも、師匠の梅寿の意地悪なたくらみで、関東の落語家と過去の名跡を賭けて対決することとなる。
1話完結の連作小説だが、テンポもよく、ダジャレも面白い。
落語家の駆け出しとして、竜二が徐々に成長しているのもいい。
ただ、竜二の成長は第3者から語られており、ストーリーの中で竜二が噺家としては活躍していない。
まだまだ話は続きそうで、期待している。
ダジャレは嫌いだが、この本のギャグは許せる。

笑酔亭梅寿謎解噺 3 ハナシがはずむ! (集英社文庫)

笑酔亭梅寿謎解噺 3 ハナシがはずむ! (集英社文庫)


ハナシにならん!
ハナシがちがう!